「詩が放つ野性的なパワー」をテーマに発表した、クリエイティブ・ディレクター キーン・エトロによる2023春夏コレクションのファッションショーが、SANAAの設計によるイタリア・ミラノのボッコーニ大学新キャンパスにて行われました。
ショーのゲストには、インビテーションとしてコレクションのテーマでもある詩を朗読するポエム・コールが届けられ、キーン・エトロが構築する本コレクションの世界へと誘われました。
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今日の詩とは、ユートピアのようなものです。感情が純粋であることと同時に、具体性、実用性、生産性が求められ、瞑想にふける自由な時間を称賛しながら、生活のために勤勉でいることを良しとします。詩は役に立たないと一般的に思われがちですが、実は大いに役立つものです。その語源には「作る」「構成する」という意味があるように、詩には野性的で原初的なパワーがあるのです。印象、気分、感覚を形にして、言葉によって表現しようとする人間の深い衝動から生まれるからです。
このコレクションは、皆さんにはショーの前に電話を通じてお届けしましたが、ユートピアを実現し、内なるカオスを具現化する詩を讃えています。コレクションを生み出す原動力は感情に動かされることであり、繊細で官能的な感情を貪欲に集め、凝縮させ、リズムを与え昇華させる言語で構成します。中には削ぎ落し、簡潔にしていくプロセスもありますが、それは詩の創作と同じで、作品として最高の表現をするために行います。
白く繊細で穏やかな朝に始まり、天頂の光を浴びて燃え、星降る夜の中できらめく ― 1 日の流れに沿うサーカディアンリズムのようなカラーパレット。カフタン、キモノ、スーベニアジャケット、帯をあしらったブレザー、プルオーバー、シャツ、そしてボクシングショーツ、とても長いシャツ、信じられないほど軽いダスターコートなどに、規則的に、時には形を崩しながら、二行連句や俳句のようにふんだんに花やモチーフを使っています。
網目の間から、Tシャツやシャツに施したサンガロのカッティングから、透けるように繊細なシルクカフタンやリネンのダスターコートや、はためくクラッシュドサテンのテーラードスーツ、シャツと合わせたスイミングトランクスから、彼の身体は顕わになります。緩やかなシルエットはソフトで、動きに合わせて変化します。ロープソールの靴やサンダルは、軽さの概念を封印。もしくは、彼は裸足になって大地と繋がり、優しいエロティシズムを帯びて、「ドルチェ・ファール・ニエンテ(何もしないことの喜び)」のユートピアとして詩を讃えるのです。
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エトロ 2023 春夏メンズコレクション
日時:2022 年 6 月 19 日(日) 19:00 JST/12:00 CET
会場:ボッコーニ大学 新キャンパス
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